サステナ・ラボ: WTOって何なのさ?
日本でテレビのニュースになるときには、たいてい激しい反対デモの様子が映し出されます。公正な自由貿易を推進する国際的な機関なのだとしたら、なぜこんなに激しい反対が起きるのでしょうか? 今年もずいぶん逮捕者が出ましたし、かつては死者や抗議の自殺者まで出たこともあります。一体WTOって何なのでしょうか?
KOKOさんのブログでは、先週行われた香港でのWTO閣僚会議を受けて、その問題点がわかりやすく紹介されています。
■貧困なくしたけりゃ、貿易ルールを変えよう!
そこでも説明されているように、多くの人がWTOに反対する理由の一つは、WTOが先進国に都合が良く、途上国に不利であるとされるからです。一部の先進国、特に多国籍企業が自分たちに有利なようにルールを決め、そのことで途上国がますます貧しくなっているというのがNGOなどの主張です。
トレイシーは、ダラスを行います
■WTO香港閣僚会議 ー世界でもっとも貧しい農家の人たちに不利な「世界の貿易ルール」を変える大きなチャンス(オックスファム)
■WTO氷結キャンペーン(A SEED JAPAN)
しかし、WTOの影響(被害)を受けるのは、なにも途上国に限った話ではありません。日本の農業も危ないし、環境保全も後退するかもしれないのです。WTOはけっしてすべての先進国に有利なわけでもなければ、ある先進国内のすべての立場の人々に有利なわけでもありません。むしろ、そこにはきわめて複雑な利害関係が渦巻いています。
例えば、もっともよく問題にされるのは、国内産業の保護が困難になる点です。まだ十分に競争力があるとは言えない途上国が、適切な国内産業の保護すら許されなければ、永遠に経済力をつけることはできないかもしれません。あるいは日本の農業のように、価格競争力がなくて保護が必要な産業も同様です。国内産業の保護のために関税をかけること� �、WTOのルール違反になる可能性大です。
meneは、自由の女神にステップ方法
環境保全も同様です。環境への配慮を理由にある物品を区別することや(ラベルを貼ることも含まれます)、関税をかえることもWTO違反として退けられることすらあります。例えば熱帯林を保護するために、熱帯産の木材の関税を高くすると、それはおそらくWTO違反になるでしょう。
なぜこんなおかしなことが起きるのでしょうか? それは、一国が決めた国内法の運用すら、WTOはルール違反の名の元に却下することができるからです。これって、それぞれの国が築き上げた法律、社会制度、文化に「国際ルール」で制限をつけていることですよね? もっと強い表現を言えば、各国や地域の自治を脅かしているように思えます。
ナイアガラの滝の後に何をすべきか
各国の国内法や政策まで規制するなんて、ものすごい権力機構です。WTOって、本当にそんなすごい権限をもつ国際機関なんでしょうか? 一体誰が、いつそんな権限を認めたのでしょうか? また、WTOのルールはいつ、誰が、どのように作ったのでしょうか? 密室の中で、どんどん不可思議な、そして一国と行政や政治も逆らえないようなルールが強化されていきます。これって、どう考えてもおかしくないですか?
と、WTOはナゾだらけです。影響力が大きいことはわかるのですが、いったいなぜこんなことになってしまったのでしょうか。誰が影で糸を操っているのでしょうか。どなたか、わかりやすく説明していただけませんか? � ��組みも、利害関係も、あまりに複雑すぎて、僕もよくわかりません(^^;)
しかし少なくとも一つハッキリしていることは、今の不公平なWTO体制の元では、とても公平な社会や、持続可能な社会は実現できそうにないということです。ですから今一番知りたいことは、どうやったらこのWTO体制を突破することができるかです。これもどなたか、教えていただけませんか?
<関連リンク>
■WTO公式ページ(英語)
■↑これを個人の方が日本語に訳したページ
■貿易と環境をめぐる対立−WTOでなぜ環境が争点になるのか(古沢広祐さん)
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