常温核融合は本当だった! その11
常温核融合は本当だった! その11
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その12 <---荒田吉明先生が常温核融合の公開実験に成功されました!
2008/1/20 <小島英夫先生よりのお便り--生体内元素転換に関して-->
常温核融合の著名な研究者で静岡大学名誉教授の小島英夫博士から興味深いお便りをいただいたので紹介します。
私は先生に次のような質問をしました。
[私(杉岡)の質問]
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生体内元素転換を徐々に載せていっています。
ケルヴランの発見した規則性は、非常に興味深いです。もちろん、物理学者ほど
定量的に出したのものではありませんが、種々の植物、生物、農業(土)から「このように
考えざると得ない!」と導かれています。
私は、物理学者が、なぜケルヴランに注目しないのかがすこし不可解です。
(なぜ視点の違う角度からの膨大な結果を利用しようとしないのか、ですが)
小島先生は、どのように思われますか?
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このやや失礼ともとれる私の質問に対して、小島先生は次のようなお便りをくださいました。
[小島英夫先生からの回答]
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生物核変換について、
私の旧著「常温核融合の発見」(大竹出版、1997年)の「10.12節 生物核変換」で、Kushiの本の内容を紹介してい
ます。(p.120、6行目の参考文献16,16')は、61,62)の間違い)。当時はKervran の本が手に入らなかったので、
Kushiを使ったものです。
その後も、ロシアのVysotskiiたちが続けて実験していますが、私の新著では、確実に取り扱えるものに限ったので、
この問題は割愛しました。
生物核変換が、私の考えるような機構で起るかどうかは分かりませんが、事実は否定し得ないと思っています。
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なんと、先生のご著書で(私はまだ読んだことはないですが)、紹介されていたとは知りませんでした。
「事実は否定し得ないと思っています。」と生体内元素転換を気にしておられる様子です。
先生は純粋な物理学者ですから普通は無視するかばかにして相手にしないところを、きちんと見るべきところは見て
おられる。さすがであり、その柔軟な態度に感心しました。
固体物理的な常温核融合ももちろん重要ですが、生物が引き起こす生体内元素転換もきわめて重要であり人類に
残された未踏のテーマといえます。
常温核融合と生体内元素転換は、ある元素が別の元素に忽然と転換するという共通する面をもっているのですから
根底ではつながっているはずです。(どのようにつながっているか、誰もさっぱりわかりませんが・・)
お返事の「ロシアのVysotskiiたちが続けて実験・・」も気になります。Vysotskii(ヴィソツキー)博士の発表は私が
ICCF12で実際に聞き、それをICCF12に参加してで書いたので見てください。また、ケルブランやVysotskiiらの研究は
常温核融合はあまりに複雑怪奇であり、物理学方面からだけのアプローチでは難しい面もあると感じます。
そこで私はなんらかのヒントになりはしないか?とケルヴランの生体内元素転換を載せているわけですが、それにしても
自然の奥の深さははかりしれないものがあります。
あと、常温核融合に直接は関係ありませんが・・、
で残された最重要テーマに千島学説があります。
故・千島喜久男博士(1899-1978、岐阜大学教授、名古屋商科大学教授)の数々の発見はあまりに重大すぎるために、
それは教科書を根底から書き換えるほどのものであるために、権威筋からは無視されつづけています。
しかし、それが真実の発見であることはこの私が保証します!
その緻密で膨大な研究成果を見ると、現代医学がいかに間違っているかいやというほどわかります。
赤血球はじつは腸で作られている。骨ズイ造血説というのは嘘なのです。ほとんどの人が「まさか」と思われるでしょう
が、なぜこんなおかしな説がまかり通っているか、先生の著書
「血液と健康の知恵」(千島喜久男著、地湧(ぢゆう)社)
を見るとわかります。赤血球分化説(赤血球は別の様々な細胞へ分化転換していく!)も驚異的であり、「赤血球は赤血球
のままで他の細胞に変わったりしない」とする現代医学の根本を否定しています。赤血球がさまざまな細胞に変わり、また
その細胞が逆に赤血球に逆戻りしたりと、血液の役割は人間の想像をはるかにこえたものがあったのです!
千島(ちしま)学説に関しては次のサイトにも詳しく載っています。
2008/1/21 <沖縄観光ニュースの「渡久地明 連載コラム視点」にブラウンガス>
沖縄観光ニュースの「連載コラム視点」に<不思議なブラウンガス>として、渡久地明(とぐち・あきら)氏がブラウンガスを
紹介されているのでお知らせします。次をクリックください。
氏のブログでも紹介してくださいました。
ブラウンガスの性質が昨今のエネルギー事情もからめて、うまくまとめられています。(当サイトも書いていただき、深く
感謝します)
後半で「原料は無尽蔵にあり、一家に一台ブラウンガス炉が普及すると面白い。・・」と書かれていますが、一家に一台
とは面白い発想と思います。「その10」でも示した韓国企業の宣伝ビデオを見るとそんな時代が近いことを予感させます。
渡久地氏の述べる「ユーチューブで開発者ブラウン博士の実験の様子が公開されており、・・」のビデオは、
「日本では大阪大学のシンポジウムなどでブラウンガスについて触れられている。」との記述も気になったので検索を
かけたら、たしかに次のように大阪大学でシンポジウムが開かれていました。
そこの講師をみて、ああと思いました。
2.講演「サステイナブル社会の構築に向けての提案と実践
〜環境・エネルギー・食料の分野から〜」
講演者: 堀内道夫氏(静岡大学客員教授)
なんと、堀内道夫氏が講演者ではありませんか!べつに面識があるわけではありませんが私が2年前に「その8」で
堀内道夫氏は日本で数少ないブラウンガスの研究者と思います。ユル・ブラウンは、コリン・ウィルソンの本によれば、
1922年生まれとあります。生きていればかなり高齢のはずですが、ユル・ブラウンまだ生きているのでしょうか?もしこの
辺の事情を知っておられる方があれば教えてください。
日本では、ブラウンガスとくればやっぱり堀内さん!となるのでしょうか。
2008/1/23 <ケルヴランの「生物学的元素転換」 No.4>
ひき続き、ケルヴランの著書「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)を紹介したい。
第4章「鉱物の異常」(p.38〜p.43)を簡潔にまとめる。
建物の石灰岩の表面に珪酸質の皮膜とその上に黒い層を形成する場合がある。(フランスの建造物で観察)
SiからなぜCaやCが出現するだろうか?従来説のカルシウムが移動によって生じたとか、黒い層が煤によって生じたと
いう理由だけでは説明がつかない点が多い。これらは好気性微生物によって、
20Ca=6C + 14Si
によって引き起こされる。添字の番号は原子番号(陽子数)。
岩石における元素転換は、カビ、微小な藻類、バクテリア、ストレプトマイセスのような放線菌類に引き起こされることが
多い。上の反応は、珪素Siから炭素Cが発見される理由も与え、そして従来の炭素は有機物だけからなるという説を否定
している。
珪酸岩中に発見される黒鉛(C)はかなり古く、植物の出現に先んじている。黒鉛と植物の関連は立証されていない。
石炭鉱床もまた珪酸岩の中にあり、時には40%まで珪素を含んだ層を形成している。
@C + C=Mg
AO + O=S
BC + O=Si
CC + Si=Ca
DO + Mg=Ca
石灰岩(Ca)から苦灰岩(Mg)への交代作用はD(逆反応)、石灰岩の建造物の変質にはC(逆反応)が、
黒鉛や石炭鉱床の形成はB(逆反応)、海洋における石灰岩の起源はCとDが、硫黄と石膏の形成にはAの反応が
関わっている。
ド・カイユーは先カンブリア時代から今日まで地球のマグネシウムは1/12に減少していることを示している。
そこに何がおこったか?貝殻や珊瑚などのカルシウムが、甲殻類動物と海生動物によって、太古に多量に存在した
マグネシウムを利用して、Dの反応で形成されたことを見出すだろう。
炭素Cは3個のアルファ粒子、酸素Oは4個のアルファ粒子に相当する。
アルファ粒子を単位としてさまざまな元素転換が生じやすいことをこれらの反応は示している。
(アルファ粒子とはヘリウム原子核、つまり陽子2個と中性子2個の集合核である。)
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常温核融合のすべてが素晴らしくまとまっている。最新情報から論文や本までが見事に整理されている。
とくにLibraryは研究者名(左列)で引けるので便利である。
"Categories"では論文を分類できて、「熱エネルギー」に興味がある人は"heat"を引けばよく、理論では"theory"を見れば
よいのでこれも便利だ。
私事になるが、私はICCF12(横浜)でJed Rothwell氏に会っている。ある人が紹介してくださったのだが、そのときはどのような人かもよく知らず
一言二言挨拶を交わしただけで終わった。Rothwell氏自身はCold Fusion研究者ではないようだが、普及に最も熱心にとり組まれている方である。
Libraryには、
Arata(荒田)、Kozima(小島)、Kasagi(笠木)、Takahashi(高橋)、Mizuno(水野)、Yamaguchi(山口)、Kitamura(北村)、
Ohmori(大森)など・・日本人研究者も多く掲載されている。他の日本人も多く載っているので探していただきたい。
これを見ると、いかに日本人が大きな貢献をなしてきたかがわかる。
ある一人の名前が気になった。Schwinger,シュウィンガー(1918-1994)である。
天才の名をほしいままにした物理学者。ファインマンや朝永振一郎博士らとノーベル物理学賞を受賞したあのシュウィンガー
の名がある。
述べが、なんと論文まで出していたとは知らなかった。数えると八つもある。四つまでダウンロード可能である。
シュウィンガーは、このあまりにも不可解な常温核融合を、どのような視点から見ていたのであろうか?
時間がとれたら、ぜひ論文を眺めてみたい。
2008/2/2 <原子転換アルカリ・ループ、ケルヴランと千島喜久男博士>
ケルヴランと千島喜久男博士、この二人はいくつノーベル賞を受けても足りないほどの学者であり、20世紀最大の学者
に含まれることは間違いない。
二人はパリで会っているのだ。
「血液と健康の知恵」(千島喜久男著、地湧(ぢゆう)社)より引用。p.249-250
「・・要するに、微生物は、有名なフランスの理論物理学者で、原子転換説を唱えているケルヴラン(Kervran)博士の
説いているように非常に低いエネルギーで、微生物や生物体は原子転換をする能力をもっていることを実証した。
フランスでは、この説は相当有名になっているが、日本では桜沢如一氏がこの説を紹介したが、一般の学者からは殆ど
無視されている。
しかし、Kervran博士は、私とパリで一夜会談した際、私の赤血球分化説や8大原理に大いに共鳴し、『自分の研究は、
原子レベルであるが、あなたの説は細胞レベルである。しかし、原則的にはお互いに可逆的であり一致している。共に
がんばりましょう。』と云っている。
彼の説は、理論だけではなく、実際にも研究しているので、その点大いに強みがある。
その一部を紹介すれば、原子量の低い原子では、生物体内で比較的低いエネルギーで原子転換が行われることが
解る。そして各種のビタミンや、原子(カルシウム)などが生体内で新たに合成されるわけも、この原子転換によってだん
だん説明がつくようになるだろう。・・」
千島本にはこの文の横に、ケルヴランが見出した原子転換の規則性の一つアルカリ・ループが描かれている。
千島図より、ケルヴランの本「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)の図のほうがわかりやすい
ので(本質は同じ)それを示す。私がソフト上で描いたものなので、本の原図そのままではない。
図より、
K + H =Ca でありまた Ca - H=K
である。カリウムとカルシウムは水素を介して自由自在に転換できるのである!また
Na + H=Mg や Mg - H=Na
Na + O=K や K - O=Na
Mg + O=Ca や Ca - O=Mg
となることもわかる。これらは過去の膨大な実験結果に基づいてケルヴランにより導き出されたものである。
上図はアルカリ・ループと呼ばれるものだが、他にもジオ・ループ、バイオ・ループ、メタル・ループと呼ばれる規則図も
ケルブランは見出していて本に記載されている。
今回はアルカリ・ループのみ紹介したが、これだけでも重大な意味をもつことがわかる。
他のループも今後紹介していくつもりである。
ケルヴランは、上記本p.58で次のように述べている。
「・・アルカリ・ループは酸素と水素を媒介として四つのアルカリ元素が相互に転換するもので、生物界および
地質学の領域にも広範に観察されるものである。動植物の代謝作用にも深い関連性を持っている。」
これらを見ていると、「カルシウムが不足しているからカルシウムを多くとろう!」などという現代栄養学は本当に
正しいのか?と思わざるをえない。
2008/2/9 < 「日経エコロジー」に常温核融合が掲載される >
雑誌「日経エコロジー」の3月号に、常温核融合が掲載されたのでお知らせします。p57-p59.
簡単に述べると
「一度は否定されて死んだようになった常温核融合だが、少数の研究者の継続的な研究によって確実に起こっている
ことがわかってきた。しかし、理論的解明はまだまだ・・。」
ということが書いてある。
中部電力・熊澤氏らの水トリー研究の紹介からはじまって、三菱重工・岩村氏らの核変換の話や、理論面では高橋
理論や小島理論にもすこし触れられている。
阪大の高橋先生が述べられたという「ここ数年の常温核融合の三つの研究成果」が興味深い。
一つ目は、三菱重工・岩村氏らの核変換実験である。
二つ目は、イスラエル、米国、イタリアの共同による電解法に超音波を加えた過剰熱の実験。
スピーチライターになる方法
三つ目は、阪大・荒田名誉教授のナノ加工したパラジウム粒子に重水素を吸蔵させた際に発生する過剰熱の実験。
以上。
荒田氏のものは再現性も高いようで、産業界への利用も視野に入ってきた、とのこと。
昨年『選択』に載ったことに続いて、本誌に掲載されたことは常温核融合が認知されだしたことを意味していると思う
のだが、どうも物足りない・・・その「書き方」が!である。
冷静に現状を説明してあるのだが「理論面が全く解明されていないのが、世間に認められない要因となっている・・」と
いう意味が書いてある。どうもピントがはずれている。
実験で完璧に証明されているのだから、それこそが全く凄いことなのである。現代の錬金術たる元素転換が確かめられ
ているわけで、これは科学の革命といえる。そこを強調しないといけない。量子論誕生以上の革命なのに・・。
(雑誌には、そういう意識がないんですなあ・・)
Cold Fusionを眺めていると、その現象はあまりに複雑怪奇に見え、正直なことをいわせてもらうと、そんなに簡単に
理論は構築できないような気がする。理論完成は100年先になってもおかしくない。それほど複雑である。
当サイトで紹介している生物学的元素転換も気になる。これは常温核融合と必ず奥深くで結びついている。
常温核融合ではほぼ固体物理的な側面からのアプローチのみである。そして、パラジウムが必ず出てくるのでその
結晶性がどうか・・となり、視点が非常に狭い範囲に限られてしまう。
一つ上でも書いたように、パラジウムなどという元素とは全く無縁に、微生物、植物、動物の体内では
K + H =Ca や Ca - H=K
Na + H=Mg や Mg - H=Na
Na + O=K や K - O=Na
Mg + O=Ca や Ca - O=Mg
などという元素転換が自由自在に低エネルギーで起こっている。生体内元素転換である。あげたものはごく一部にすぎ
常温核融合は、生体内元素転換の視点から、つまりケルヴランの発見した規則から見るといろいろと進展があると思う。
大きな大きな柔らかい網をはるということ・・
2008/2/11 < ジオ・ループ >
ケルヴランが見出した四つ規則図の内、前にアルカリ・ループを紹介しましたが、ここではジオ・ループを紹介します。
(私がソフト上で描いたものなので、本の原図そのままではない。)
なぜ大枠と小枠で分かれているかというと、大枠(太枠)は周期律表と同じ並び、位置になっているのです。ですから、
非常に分かりやすく工夫されている。Mg, Al, Si は周期表でもこの順で横に並んでいますし、Siの真上にCがあるのも、
Mgの真下にCaがあるも、周期表通りです。アルカリ・ループ図もそうなっているのでぜひ周期表と比べてください。
図を眺めるだけで、どんな元素転換がどのように起こるかが手にとるようにわかります。例えば、
C + O=Si や Si - O=C
Si + C=Ca や Ca -C=Si
C + C=Mg や Mg - C=C
Mg + H=Al や Al - H=Mg
などなど。
なお、本ではよくわかるように描かれていますが、じつはジオ・ループとアルカリ・ループは共通部分をもっており一部が
重なっている。Mg-O-Caの部分ですが、二図を比べてください。
ケルヴランは「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)p.58で、ジオ・ループに関して次のよう
に述べています。
「ジオ・ループは特に地質現象、岩石や土壌における元素転換と密接なつながりをもち、炭素を媒介とする
反応が大きな特徴となっている。アルカリ・ループとは別に珪素からカルシウムを生み出す反応は、元素転換
において独特の役割を担っている。」
ように、これらの元素転換は微生物の働きで起こることはいうまでもありません。
以上の内容とは直接は関係ありませんが、Caはマジックナンバーをもつ元素です。
北大の水野忠彦博士は「固体内核反応研究」(工学社、著者は常温核融合研究者多数)で次のように述べます。p.217
『特に生成物で原子番号20,28,50,82は、「マジック番号」と呼ばれているものであり、きわめて安定な原子核と
なっている。』
このように述べられている。ちなみに、Ca(20)、Ni(28)、Sn(50)、Pb(82)となります。
カルシウムは、常温核融合でもまた生体内元素転換でもどこまでよく出現する元素です。
ジオ・ループで面白いのは、別にSiがなくても、C+OでSiにしてからそれにCを加えてCaにもっていける点です。
すなわち、CとOがあれば(微生物の働きで)Caを作れるということです。 生物が骨の主成分にCaを選んだ理由を
よく考えたいものです。
水野先生は、本の第8章の冒頭で気になることを述べられています。
「電気化学反応で生じた反応性生成元素の同位体分布に着目、従来のよく知られた核反応の結果とは明ら
かに異なる現象であることを示す。実験では、放射線の発生も放射性物質もほとんど検知できない機構で
生成物が得られている。これは新しい核反応の仕組みを示唆するが、従来の常識や理論では説明困難な特異
な核反応であると考えられる。ここでは、電解によって生ずる種々の生成物について、実験的に明らかになって
きたことをまとめる。」
これは、私が最近思いはじめていたことに触れるものです。
常温核融合現象での際立った特徴に「ほとんど放射線らしきものが出ない不思議な核反応である」ということがあり
ます。水野氏は「従来の常識や理論では説明困難な特異な核反応」と述べられていますが、生体内元素転換は
200年以上前から種々の実験でその証拠が蓄積されてきました。
そして、生物が行う元素転換では、放射線も放射性物質も出さずに行われています(当たり前ですよね、そんなもの
出したら、生物が死んでしまいますから)。
常温核反応現象と生体内元素転換はどこか似ているのです・・
この共通点から、常温核融合研究に、ケルヴランがまとめた体系が非常に役立つはずだと考えています。
2008/2/14 < C --> Fe >
炭素というのは面白い性質を秘めているのかもしれません。元素転換において重要なポイントを占める元素の一つに
ちがいない。それはジオ・ループを見てもわかりますが、元素から元素への仲介役もはたしていたりして興味深いものな
のです。
ふと思いました。電気分解はパラジウムなどがよく電極材に使用されますが、炭素電極を使った電解では面白いことが
起こるのではないか?と。
Tさんに問うたところ、次のような返事をもらいました。
************************************************
うーん、炭素ですか・・・
なかなか鋭いですね。
電気化学の帝王Bockrisがカーボン電極を用いた水中アーク放電で
鉄の生成を報告しているのが有名だと思います。
FusionTechnology他に投稿していたと思います。
この他にも若干あったと思いますが、すぐには出てきません。
炭素電極を用いるとC-Hの化学反応の評価が難しいことが原因だと思います。
************************************************
あの有名なボックリス(Bockris)が、水中アーク放電で、鉄の生成を報告していたのです!
ボックリスは世界的に著名な電気化学者で、水野忠彦博士の師匠でもあり、初期の常温核融合研究で大きな貢献を
しました。ボックリスの論文に関しては、Jed Rothwell氏サイトのLibraryにも多く載っています。
水野先生はボックリスのところに留学して研究しているのですが、その辺のことは「核変換」(水野忠彦著、工学社)に
詳しく述べられています。ボックリスの人柄などがつづられていて面白いものですが、ボックリスに対して水野氏は「人間
的には好きではないが、実験事実を曲げないという点で科学者としてこれほど尊敬できる人はいない」という意味を述べ
ています。
さて小島英夫先生(静岡大学名誉教授)の著書「『常温核融合』を科学する」(小島英夫著、工学社)p.85に次のように
書かれています。
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たとえば、鉄「Fe」は、図1-1に示した実験系を含む非常に多種類の実験でその発生が確認されています。その中でも
最も単純な系なのに不可解なのは、炭素電極の間でのアーク放電の際に多量の鉄が観測されていることで、「NTT」
(あるいは炭素「C」を元にした「NTA」)以外の機構では説明のしようがありません。
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要するに、元素転換以外に説明がつかない!と言われているのです。
今回紹介したものは、実験系にはじめ鉄など存在しなかったのに、アーク放電後に、忽然と鉄が現れた!という
ものです。
小島先生も言われるとおり、他の電極での電気分解にしてもほんとうに鉄はよく出現するようです。これはCold Fusion
の文献を見ていて私もよく感じます。
この
C--> Fe
という元素転換はケルヴランの単純な規則図からもすぐには出ないものです。またCold Fusion研究者にとっても難題の
ようであり、はっきりとした結論(反応式)はまだ得られていないようです。当然周りに大量に存在する水H2O(つまりH
やO)も大きく反応に関与しているでしょうし、アーク放電(極間での強い電子の流れ)もキーポイントのはずですが、それでも
まったくわからない・・
2008/2/17 <ケルヴランの「生物学的元素転換」 No.5>
引き続き、「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)の
第5章「生物学的元素転換の実在の証明とそのメカニズムの概要」(p.44〜p.59)をごく簡単にまとめる。
酸素の同位体O(16),O(17),O(18)と、ナトリウムの同位体Na(23)、そしてカリウムの同位体K(39),K(40),K(41)との
関係を論じている。()内は質量数。Na(23)は存在比100%でありナトリウムはこの質量数以外存在しない。
Na(23) + O(16)=K(39)
Na(23) + O(17)=K(40)
Na(23) + O(18)=K(41)
同位体に関して注意すべき点を述べている。例えば、Mgの三つの同位体(24/25/26)のうちの一つのMg(26)はC+Cから
はできるが(質量数13のC同士で)、Na+Hからは生じない(質量数が合わない)。
ケルヴランの研究に触発されて日本で行われた小牧久時教授の実験が詳細に述べられる。それは、微生物の培養菌
を用いて行われたナトリウム->カリウムの元素転換を証明した実験である。糸状菌や酵母菌などの菌類を使った実験で、
カリウムの大幅な増大を観測している。
「・・しかし、ともかく微生物がナトリウムを利用しうる場合は、0.01mgのカリウムを含む接種材料の培養菌は、種族にもよる
が3日以内に1〜2mgのカリウムを生み出すのである。」
この後、ケルヴランは重要な注意を述べる。この種の実験では、はじめにある少量の目標元素(この場合はカリウム)が
必要だというのである。つまりナトリウムだけしかない状況では反応は不完全になり菌はほとんどカリウムを生み出さない。
しかし少量のカリウムを予め実験系に加えておくと劇的にカリウムの増加が観測されるという。
小牧教授の実験はフランスでも繰り返された。
「実験にはビール酵母が用いられ、一定量のカリウムが加えられた。そして、3日以内にカリウムのかなりの増量が観測
されている。」
以上のNa->Kの実験は、なんら孤立したものではなく、フォン・ヘルツィーレによる別の実験によっても証明されている。
三実験のうち一つだけ示すと、
「(b)もう一つの実験はレピオタ族(カラカサタケ)の菌類を用いたものである。これは少量の粘土を含む砂の上で培養
され、砂には100g当たり0.006gの酸化カリウムが含まれていた。採取された菌類は1.570gの酸化カリウムを含む36gの
乾燥物をもたらしたが、これは元の砂のほぼ260倍の酸化カリウムに相当している。」
また別の実験でカリウムKからカルシウムCaへの元素転換(今度はK->Ca!)を強く示唆する菌類を用いた実験も紹介
「珪酸から石灰への変質」として、ラットの骨折における実験が述べられる。
カルシウムを与えるより、有機珪酸を与えたほうが、ずっと骨の治癒が早い!という驚くべき結果が示されている。
骨のX線写真まである。無機カルシウムCaよりも、有機珪酸Siを与えるほうが骨の形成が早いというのだが、当サイト
の読者は、それが Si + C=Ca の元素転換によるとすぐわかるはず。-->ジオ・ループ
アンコールワットの石の外部表面の調査結果。フランス科学アカデミーの論文から。
正常な石では組成比率、珪酸63、酸化カルシウム1.4に対し、劣化した石では珪酸35.8、酸化カルシウム17.34となって
いた。(杉岡注:単位は%と思われる) カルシウムの12倍以上もの増加は雨水によるものではない理由が書かれる。
劣化した石にのみ放線菌類が含まれており、ストレプトマイセス族に属する菌類であった。
「科学アカデミーによって公表されたその論文では、・・・カルシウムの著しい増加が立証されている。他方、
珪酸だけが注目すべき割合で減少している。珪酸岩におけるこの変化とそれにともなう石灰分の増加は、
微生物の存在につながるものである」 (・・・部分は略した)
2008/2/17 < バイオ・ループ >
上で見た5章にバイオ・ループとメタル・ループが載っているが、ここではバイオ・ループのみ示すことにする。
これがバイオ・ループである。このループは、本当はジオ・ループの一部と重なっているのだが、HPでは描きにくい
ので、この図をバイオ・ループとさせていただく。ジオ・ループの「C--O--Si」の部分は実際はバイオ・ループでもあるの
である。他のループと同様、太枠の元素は周期表の並びそのままになっていてたいへん便利である。
ケルヴランは次のように述べる。
「バイオ・ループは有機体にとって基本的な元素が中心となる反応であり、生体における関連性も深い。また常温で
気体になる元素は、分子自体が元素転換を起こすという特徴をもっている。」
調査した一酸化炭素の中毒事例にも関係している。再掲する。
********
フランスで、溶接工のガスバーナーでの一酸化炭素の中毒事故が多発した。しかし、あらゆる可能性を調べても原因
がわからず説明のつかないものとなっていた。
ケルブランは事故を様々な角度から検証するうちに、窒素Nから炭素Cへの元素転換が起こっている可能性が高いことを
見出す。2N=C+Oであるが、理屈として窒素分子が一酸化炭素分子に、アルファ粒子単位の安定性(仮説)の視点から、
ここで、iは、シェリダンワイオミング州のキングロープを購入することができます
ある種の触媒反応も加わって分子内核反応 N2->CO を示している。Cは3個のアルファ粒子、Oは4個のアルファ粒子
から構成されている。
「この窒素から一酸化炭素への変化は、植物における窒素サイクルや、動物における窒素の役割に関するある種の
観察報告を完全に説明するものである」(p.34)という。
*****
ケルヴランは「私たちが述べてきた反応は一つの分子内部の現象、「二原子分子」の二つの原子核が相互に接近
した、ある種の「分子融合」を構成していると言うことができる。・・」と述べた後、バイオ・ループに関するO2=Sも記述し
ている。(p.47)
F(フッ素)やP(リン)の反応例は示されていないが、6章以降で多くの実例が示されているので、その中で紹介されて
いくはずである。
2008/2/24 < メタル・ループ >
次にメタル・ループを示す。これで四つのループが出揃ったことになる。
αはアルファ粒子、Hはもちろん水素である。メタル・ループに関しては、ケルヴランは次のように述べている。
「メタル・ループは必ずしも全て実証されているわけではないが、遷移金属における元素転換の可能性を示唆する
ものである。ここでは特にアルファ粒子との反応が支配的な役割を果たしている。ただし同位体が複数ある元素
については、その中の一つが当てはまる反応となっている。またこのループよりV + C=Cu、Cr + C=Znという
反応も考えられる。」
メタル・ループに関係した太枠の金属は、常温核融合との関連でも非常に重要なものである。電気分解での電極上に、
鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、銅(Cu)その他が出現するからである(これは常温核融合の本を読めばわかる)。
なぜなにも無かったところにこれらの元素が忽然と出現するのか?現在の常温核融合研究ではその理由が分かって
いないのであるが、メタル・ループは一つのヒントを与えることになるかもしれない。アルファ粒子(α)の介在も関係して
いる点が他ループと大きく違っている。
メタル・ループは横の並びは周期表と同じだが、縦の2段の関係は周期表とは違っているので注意されたい。周期表をみればループの配置は
すぐに理解できる。
われる。
ケルヴランは、多岐にわたる生物学的元素転換を三つに分類している。
一つ目はある元素の原子核が水素原子核(陽子)と結合・分離する反応、二つ目は炭素原子核や酸素原子核が核子
クラスターとして介在する反応、三つ目はアルファ粒子が吸収・放出される反応である。
Z±Hの反応をエリジオン、Z±CやZ±Oをリエゾン、Z±αをアンシェヌマンと呼び、それらの反応における核子クラスター
の結合をフリタージュ、また分離をクリベージュと呼んでいる。
「・・個々の元素転換には統一性がないように思われるが、アルファ粒子を軸に見ていくとおのずとその法則性が明らか
になってくる。」と述べ、アルファ粒子単位やまた魔法数(マジックナンバー)の視点から原子核の安定性を強調している。
参考文献 「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社) p.58-59
2008/2/24 < 小島博士「常温核融合の現状」 >
小島英夫博士(静岡大学名誉教授)のサイトの「常温核融合の現状」を読んだのだが、常温核融合(固体内核反応)
の状況が非常にうまくまとめられていると思った。ぜひ読んでいただきたい。
Cold Fusion現象では、巨大な熱の発生や元素転換(核変換)が起こっているが、とにかくその現象自体が複雑怪奇で
あり、学者は理論的説明に頭を痛めている。
このような状況ではまず状況を整理整頓するということが何よりも大切である。何がわかっていて何がわかっていない
のか。明確にわかっていることをきれいに整理する作業が必要だが、それが上記サイトでなされている。
サイトでは、当初に考えられていた重水素同士の核融合(D-D)反応がまず説明され、それが起こっているとした場合
に実験で起こるはずのデータが示される。それと実際の信頼に足る実験結果との比較がなされている。その二つを比べ
るとまったく違っており、常温核融合現象がいかに常軌を逸したものであるかがよくわかる。
D-D反応とは異なる何かが起こっていると考えざるをえない。(いまだにD-D反応に固執する学者もすくなくないようで
あるが)
小島先生は、常温核融合に対する研究者の態度を次の三つに分けておられる。式(6)や(7)の意味はサイトを見て
ください。
******************
1)頑迷派:関係式(6)を導いた核物理学の論理が、固体中でも通用するとし、量的および質的にそれと矛盾する結果
は間違いか、インチキだと考える。
2)保守派:関係式(7)の結果を信用するが、固体中でも2個の重陽子の融合反応が起り、固体の特性の為に反応確率
と分岐比は違ってきて、実験結果に合うようになると考える。
3)正統派:定性的再現性を含めた関係式(7)の結果を信用し、その結果をもたらす原因は式(1)−(3)以外の未知
の反応が固体中に存在するためだと考える。
******************
常温核融合を頭から否定するような学者は1)をとるであろう。
しかし、常温核融合現象は数々の実験で完璧に実証されているのであるから、それに関心のある者は2)か3)をとると
いうことになる。小島先生は3)のようであるが、私も3)である。
私が3)をとる理由は、D-D反応と実験結果が矛盾しているということもすこしあるが、そんなことより「多種多様な元素が
何もないところから忽然と出現する」という現象がD-D反応だけでは到底説明できないからである。
これは、ある元素が別の元素に変わるという元素転換が起こっているということである。
常温核融合が主に研究されだしたのはここ20年ほどだが、生物が元素転換を行っていることは200年も前から多くの
実験で明らかにされている。ケルヴランはそれらを体系的にまとめた。
生体内で普通に起こっていることが、物理の上で起こってもなんら不思議ではない。生体内元素転換をほとんど
の学者は知らないために(知らないのが普通ですが)固体物理で元素転換を見て「まさかそんなことがあるわけがない!」と
大慌てしているわけである。
「常温核融合の現状」で気になる式を見つけた。複数の実験結果をまとめた「表2.複数事象の観測例」にあるものだが、
表中のOkamoto氏の実験の
(27)Al → (28)Si
という式である。表では質量数27や28は上付き小文字で表されているが、書けないので()とした。
これはアルミニウムAlから珪素Siへの元素転換を示す式のはずだが、ケルヴランのジオ・ループにあるAl - H=Si の
反応と一致するものといえよう。重大な一致である。
なお、Okamoto氏とは、常温核融合の初期に活躍された故・岡本眞實氏(まこと)博士のことと思われる。
1994年の「日本の科学と技術 (Vol.35 No.271冬)」(日本科学技術振興財団)という雑誌に、常温核融合が特集され、
11人の研究者が執筆している。それに岡本氏も解説を書いている。池上英雄博士(当時・文部省核融合研究所)や高橋
亮人博士(阪大)や山口栄一博士(当時NTT)ら全部で11人がCold Fusionの現状を当時の混乱した状況下で書いており、
非常に面白いものである。
2008/3/4 <ケルヴランの「生物学的元素転換」 No.6>
「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)の第6章「研究された主な元素転換」(p.60〜p.73)
を簡単にまとめる。
サハラ砂漠における油田労働者の労働条件のケルヴラン自身の観察。酷暑の中で汗中のカリウムの非常な増加と、
海塩の摂取量の増加を見て、太陽のもとで労働者が受ける熱の収支の大きなアンバランスとNa->Kへの元素転換との
副腎傷害をもつ人は、なにも投与されなくても大量のカリウムを排出するが、それがどこから来たのかいまだ理解され
ていない。
元素転換を引き起こしている物質はアルドステロンだということがわかってきた。初期の熱中症の場合など、脳下垂体
によりアルドステロンの生産が加速されナトリウムをカリウムに転換する。人の体温調節と元素転換が関係している。
NaとKのつながりは多くの形で存在する。イグアナの鼻の腺は、Na->Kの元素転換を行っており、体内熱調節器官の
役割もはたす。
テンチ(コイの一種)を用いたジュリアンらの実験。塩水に入れる前と後の血液の組成を調べた結果、塩水に入れた
後ではNaの増加はわずかだが、Kが大きく増加した。
カリウムの代謝作用は生物学者の関心事である。ウォトンは、カリウムの非常に少ない食餌療法を行っても数週間に
わたってカリウムは腎臓から分泌され続けたことを報告。
ドルトムント生理学研究所所長のレーマンは、温度39℃、湿度60%の環境で3時間労働した人の尿はナトリウムに
比べカリウムが3倍増加したことを確認。「排泄されたカリウムの量は吸収された量を示すものではない。」と述べた。
サハラ砂漠で行われた人のマグネシウムの収支を調べた調査結果と考察。
長期にわたる調査(4ヶ月間と8ヶ月間の2回)の結果、マグネシウムの摂取量と排泄量に大きなアンバランスが生じ
ていた。この結果は、
Na + H=Mg
これらの実験から、高い温度での労働条件では生体によりマグネシウムが製造されていることがわかる。
Na + H=Mgである。逆に、低い温度では Mg - H=Naという逆反応が必要となるため、生体はMgを必要とする。
また鉱物のNaとKとMgの組成と、微生物による元素転換の関係が詳細に述べられる。
各鉱床における元素組成の差異は、Na + H=Mg や Na + O=K やCa - O=Mgなどのバクテリア等が行う元素転換が
関係している。
石灰岩の壁に硝石(K化合物)が生じる現象の存在は長く知られていた。ケルヴランの家の壁でも同様の現象を確認
している。何度削り取っても絶え間なく硝石が再生してくる。Ca - H=K である。(アルカリ・ループ参照)
これは、雌鶏がカルシウムがなくても珪酸カリウムを含む雲母を食べ続けるだけで、石灰質の殻をもつ卵を産む反応
(K + H=Ca)の逆反応を示している。この雌鶏におけるK->Caの40日間にわたる検証実験も報告。それはK->Caを
実証するものであった。
植物も、元素転換によりMgを生み出している。Mgは植物には必須の元素である(葉緑素分子はMgを含む)。Mgが
消耗された土壌で、Mgを含まない肥料を与えた場合でも植物は大量のMgを生み出す。
甲殻類の殻の形成にまつわる謎について言及。従来のあいまいな解釈ではなく、海水中に含まれるマグネシウムが
カルシウムへ変わることで殻が形成されると主張。ロスコフの海洋生物学研究所では「全ての石灰分が沈殿によって
除去された海水のタンクにザリガニが入れられていた。それでもやはりその殻は形成されたのである。」
昔から議論されてきた卵と雛の問題。殻を突き破ってきた雛に丈夫な骨格がある。その骨格には卵黄と卵白にある
石灰分の4倍の石灰分が含まれている。「この石灰分は殻に由来する」とする従来説のおかしさを指摘。
まだまだ興味深い記述があるが、この辺にしておく。
2008/3/8 <ケルヴランの「生物学的元素転換」 No.7>
「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)の第7章「植物における研究」(p.74〜p.76)を
簡単に紹介する。
「植物については膨大な数の調査が行われている」(ケルヴラン)
1849年、フォーゲルは硫黄分が欠乏した栽培地でクレソンの新芽に種子より多くの硫黄分が含まれていることを見出す。
ローズとギルバートはイギリスで1856年から1873にかけて、土壌中のマグネシウム、さらにはイネ科の種子の発芽に
おける灰の重量の説明できない変動を報告。
1875年から1881年の間に、フォン・ヘルツィーレはローズとギルバートの実験をくり返し、水耕栽培による厳密な実験を
行う。硫酸塩を加えた蒸留水を発芽に用いたところ、新芽に含まれる燐の増加を見出す(S - H=P)。また様々な
カリウム塩を加えた後にカルシウムの増加を確認。
1950年、ハウシュカは、フォン・ヘルツィーレの忘れられた論文を出版。植物の多くの常軌を逸した現象を指摘した。
スピンドラーは、藻類とくにラミナリア(コンブ)によるヨウ素の生成を研究。スピンドラーはパリ理工科学校のバランジェ
教授にヘルツィーレの研究を伝える。
バランジェは、ソラマメの発芽における(人工照明下で)燐の減少を明らかにした。またソラマメに関して、外部からの
供給以外のカルシウムの増加を確認。
微生物により岩石中では鉄がマンガンになりうる(Fe - H=Mn)。バランジェは、発芽中の種子がその逆反応を示して
いることを証明した(Mn + H=Fe)。発芽においてこのマンガンは消失し、発芽中に形成された酵素の効果によって鉄
の増加が見られる。
微小な藻類であるクロレラはその激しい酵素作用により強力な元素転換の動因となっている。それらはナトリウムが
存在するときにカリウムを生み出すことができる。
が紹介されている。また本にもこのURLが示され、「クロレラによる元素転換についてはオランダのホレマン教授の
未完の論文に収録されている一連の実験を参照のこと」とある。
2008/3/8 <「フリタージュの真実」の発売始まる>
朔明社からケルヴランの研究をまとめた「フリタージュの真実」が発売になった。これはとても気になる本である。
「本書は、いまなお多くの謎に包まれたケルヴランの研究の全貌をその初期の論文から語り起こし、当時の科学界に巻き
おこった激しい論争の数々までを明示する世界唯一の生物学的元素転換に関する特殊研究文献である。」
とある。高下一徹氏のケルヴラン研究の総まとめ的な意味合いの書のようであり、私は購入するつもりである。
「この著作にはケルヴランのみならずP・バランジェやJ・E・ツンデル、V・I・ヴィソツキーの行なった元素転換実験も収録
されており、またフランス農学アカデミーの公式記録に基づく知られざる論争の系譜も網羅されている。」
とある。
という本でもバランジェが生物学的元素転換の研究で重要な役割をはたしたことが書かれていて、ケルブランとともに
キーになる人物とわかる。「植物の神秘生活」の内容に関してはしばらく後に紹介したい。
朔明社・高下氏HPのブログ「暗合する星位」にもケルヴランや「フリタージュの真実」に関することが記されている。
このブログはケルヴラン周辺の歴史にうもれそうになっている出来事をうきぼりにしていて、非常に面白い内容であり、
よく覗かせてもらっている。
人口の4つの主要な特性は次のとおりです
2008/3/16 <ケルヴランの「生物学的元素転換」 No.8-1>
「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)の第8章「応用と発展」(p.77〜p.98)をまとめるが、
量が多いので3回に分けて紹介する。
p77〜83の地質学、医学に関して、簡単にまとめる。
地質学における金属の起源は謎のままである。現代の地質学はあり得ない仮説を信じて混迷に陥っている。
地中における金属の由来の問題は生物における元素転換を考慮に入れるべきである。
微生物によって鉄はマンガンに変化する(Fe - H=Mn)。これは岩石の「黒い病気」を説明する。メタル・ループ
逆にマンガンが鉄に変わる場合もある(Mn + H=Fe)。
「多くの実験で証明されているようにマンガンは種子の中に存在し、発芽して新芽が生長するにつれてこの元素は鉄に
なって消失するのである。」
バランジェ教授は、発芽の初期に合成される酵素がマンガンを鉄に転換しうることを報告した。
ジェローム・カルダンは「信頼できる研究所で行われた何百もの実験は、原子核の転換が生体内で生じていることを
疑う余地なく実証している。・・ナトリウムはカリウムに、カルシウムはカリウムに変化し、逆の変化もありうる。いくつかの
ケースでは珪素と炭素からカルシウムが生じている。」と『ラ・トリビュン・デ・ナシオ』誌に書いている。
人体のカリウムは主にナトリウムに由来している。多くの不定愁訴はカリウムの過剰による。その場合は、ナトリウム塩
の摂取を控えるべきである。
しかし、その一方で、ナトリウムはマグネシウムを生み出し、さらにマグネシウムはカルシウムをもたらすのでミネラル
生産の意味でナトリウムは重要である。
熱病の場合には、吸熱反応を促進するためにナトリウムを含んだ塩分を多目にとるべきである。
脱灰作用と石灰化の問題は再考されなければならない。有機珪酸(および少量のマグネシウムとカリウム)の使用に
現代栄養学のカロリー計算は信用できない。なぜならそれは化学反応にのみもとづいており、元素転換のエネルギー
収支が考慮にいれられていないからである。
フッ素と燐はつながっている。例えば、それは博物館の標本で、化石になった骨の中でなぜフッ素が増加するのかを
説明する。微生物が燐から炭素を取り出している(P - C=F)。バイオ・ループ
再石灰化が必要な場合、カルシウムの豊富な食品をとる必要はない。
ベルギーの栄養学のE・プリスニエ博士は、生物学的元素転換によって説明できる多くの事例を報告。
カルシウムに乏しい食事が骨折部における急速な仮骨の形成をもたらしたことを報告した。
「成歯期の遅れがちな子供たちは果物、野菜、ミルク、チーズや肉類を含む(典型的な栄養学の基準による)食事から
正常な量の石灰分を吸収していたが、(同化しうるカルシウムの良い栄養源と考えられる)ミルクとチーズを省いたときに
その遅れを数週間以内に克服したのである。」
M・モンタシュー博士の報告。
うつ病、無力症、アルカリ血症、情緒不安定などの関連を研究した。情緒不安定とカリウム/カルシウム比(K /Ca)と
重要な関連があるいくつかの実験を引用。この症状の悪化は主にカリウム量の増大が原因しており、マグネシウムを
投与することによって症状が改善する。元素転換によりカルシウムが増加し(Mg + O=Ca)、比が安定に保たれるから
であるが、そのことは理解されていなかった。
その他多くの事例を報告しているが、こんなところにしておく。
2008/3/22 <ケルヴランの「生物学的元素転換」 No.8-2>
続いて第8章「応用と発展」の一部(p.84〜p.91)をまとめる。微生物のふるまいや農学に関して。
イギリスのL・マゴス、A・A・タフレイらにより、バクテリアによって水銀が消失することが報告された(1964年)。放射性
をもつ水銀203のHgCl2を加えた培養液において、バクテリアを死滅させた培養液と、バクテリアが存在する培養液での
残存放射能を測定した。2日後の残存放射能に大きな差が出た。
48時間のうち30%の水銀の消失をもたらす最も活動的なバクテリアは、クレブシエラ・エロゲネスと同定されている。
シュードモナス・ピオシアネアという種も見出された。彼らは元素転換に原因を求めることができなかった。
バクテリアのふるまいは驚異に満ちている。
ある種のバクテリアは硫酸の中で繁殖している。またシュードモナスは原子炉中心部の重水の中で生息しており、そこ
では人体致死量の何千倍もの放射能を浴びているのである。
水銀の実験でバクテリアは放射性の水銀203を消化した。「これは放射性廃棄物の処理に対する研究の新方針となら
ないだろうか?」
農耕の1年におけるカリウムの収量に関して、従来解釈ではつじつまが合わない矛盾がある。例えば、フランスでは
肥料や堆肥のカリウム分(75万トン)に比べて、植物によるカリウム吸収量(150万トン)のほうがはるかに多い。
カリウムはどこから来たのか?植物は二つの方法でカリウムを製造する。Na + O=K,Ca + H=K である。
酵母菌や藻類を用いてもナトリウムからカリウムを作り出せるし、また他の微生物を使ってカルシウムからカリウムを
作ることもできる。農業や産業用として、微生物の応用は有用である。
元素転換は複雑な面もある。植物の品種によっても、また同じ植物によっても条件により異なる結果が出ることがある。
植物はその根を用いて植物中のカルシウムをマグネシウムに転換することもある(Ca - O=Mg)。
その種子はマグネシウムを蓄えている。発芽時にカルシウムが生産される。その苗木ではマグネシウムがなくなり、
カルシウムに変化している。これは日光の下でのみ起こり、紫外線を欠いた人工照明下では起こらない。Mg + O=Ca、
酸素原子核の結合(フリタージュ)は、水素原子核の結合よりエネルギーを必要とするからである。
水素の結合は人工照明下でも起こりうる。
例えば、S - H=P(種子発芽の液に硫酸塩を加えた場合)やK + H=Caなど。バイオ・ループ
2008/3/24 <ヴィソツキー博士>
常温核融合の研究者は、ほとんどが物理学的な視点からの研究を行っているが、その中にあって、ケルヴラン的な
生物学的な観点から元素転換を研究している科学者に、ロシアのヴィソツキー(Vysotskii)博士がいる。
されているが、これをはじめて読んだときは本当にびっくりした。それは衝撃的な内容といってよい。
私は、横浜で行われたICCF12(第12回常温核融合国際会議)に参加して、実際にヴィソツキー博士の講演を聞い
た。年齢は50くらいであったろうか。まだまだ若々しいばりばりの研究者であった。(<ICCF12に参加して>)
ヴィソツキー博士は、ケルヴラン的な研究を現在進行形で行っている研究者である。
ICCF12に参加したものの特典として、会議の論文集を後ほどもらった。ハードカバーのりっぱな本である。そこに
ヴィソツキー博士の論文が三つ掲載されている。その中からヴィソツキー筆頭の論文
「Experimental Observation and Combined Investigation of High-Performance Fusion of Iron-Region Isotopes
in Optimal Growing Microbiological Associations」(p.206-213)を簡潔に紹介する。
実験は数種類のMCTという特殊な微生物集合体触媒を用いて比較をおこなったものである。
重水(D2O)を用いた触媒ではMn(55)-->Fe(57)の元素転換が大きく促進されるのに、軽水(H2O)を用いた対照触媒では
あまり促進されない。前者の元素転換によるFe(57)の存在比は後者の約3倍にもなっている。最適条件での成長プロセス
(growing)にある微生物触媒によるMn(55)からFe(57)への元素転換は、単一触媒(One-type, clean)の10〜20倍も大きく
起こる。Mn(55)やFe(57)の元素の確認に関しては、メスバウアースペクトル測定とさらにTIMS質量分析の測定も加えて
行っている。単一微生物種族の触媒は元素転換の効率が悪く、多種多様な菌が共生関係にある微生物集合体では転換
効率がよいのである。
反応式は Mn(55) + d(2)=Fe(57)
である。()は質量数、dは重水素。
ちなみに、鉄の同位体は4種類あり、Fe(54),Fe(56),Fe(57),Fe(58)である。
その自然界での存在確率はFe(54)=5.8%,Fe(56)=91.8%,Fe(57)=2.15%,Fe(58)=0.29%となっていて、自然界では
Fe(56)が圧倒的に多い。マンガンはMn(55)1種類のみである。(理化学辞典より)
冒頭の小島英夫先生の手紙にも「その後も、ロシアのVysotskiiたちが続けて実験していますが、」とあるように、
ヴィソツキーは物理研究者にも注目される存在なのである。私もたえず気になっている・・
-----------------------------------------
追記2008/3/25
上をアップした後に、注文していた「フリタージュの真実」(高下一徹著、朔明社)が届いた。
驚いたことに、ヴィソツキー博士のICCF12の上記論文が日本語で収録されていた。早速、読んだところ、私の
解釈が一部間違っていたので、上記の一部を訂正させていただいた。ヴィソツキー博士の英語は難解であった。
高下氏に感謝したい。
2008/3/29 <日本原子力学会ほか>
日本原子力学会のホームぺージに、第12回ICCF(旧常温核融合国際会議)プロシーディングス刊行の知らせが
出ているのでお知らせします。次サイトの下方です。
このプロシーディングスは、横浜で開催されたICCF12の論文集をまとめた本で、上のヴィソツキー博士の研究で
も紹介しましたがハードカバーの大部なりっぱなものです。常温核融合の最先端の結果が紹介されており(全て英語)、
全ページ数は591ページもあります。
今後、当サイトでもすこしづつ紹介していきたいと考えていますが、しかしそんなことはわずかしかできませんから、
興味ある読者は購入されてはいかがでしょうか。2万円とのことですこし高いですが、科学の革命前夜の素晴らしい研究
を存分に味わうことができます。
いま21世紀初頭。ちょうど100年前の量子力学誕生直前と状況が似ているのかもしれません。当時はニュートン力学
が全盛でどんな粒子の運動もニュートン力学で説明できる!と皆おもっていた。ところが原子や分子の小さな粒子の運動
はどうもニュートン力学では説明できないようだ、おかしい・・・となって革命的な量子力学が誕生していったわけですが、
その過程も平坦ではありませんでした。人間の固定観念というのは強烈なものでして・・。
科学作家の本田成親(ほんだしげちか)氏も、「次世代エネルギー源は熱核融合炉か常温核融合炉か」として常温
核融合を次サイトで紹介しています。
「実際、日本には常温核融合の先駆的研究者が多い。岩村康彦(三菱重工業)、水野忠彦(北海道大学)、山田弘(岩手
大学)、高橋亮人(大阪大学)、山口栄一(同志社大学)、さらには文化勲章受章者の荒田吉明大阪大学名誉教授などだ。」
と現状をうまくまとめています。岩村氏の名前が間違っています。「康彦」ではなく、「康弘」が正解。
常温核融合に関しては昔のように頭から否定する人は少なくなっていると感じます。それはJCF8(昨年)に参加して、
偵察に来ておられた大企業の方と話していても感じたのですが、未知なる何かが確実にそこにある・・と皆がとらえ
はじめています。
JCF8で技術ジャーナリスト・山本寛氏と食事をしながら話していたとき、氏はこんなことをいわれました。
杉岡 「常温核融合をとりまく状況というのは、ふしぎなもんですねえ・・(完璧に実証されているのになんで?という意味で)」
山本氏 「ふふ、もうみんな知っているんですよ。ただ、教科書を書き換えるのがめんどうなだけで・・」
2008/4/9 <ケルヴランの「生物学的元素転換」 No.8-3>
No.8-2に続いて第8章「応用と発展」の一部(p.92〜p.98)を見る。土壌と微生物の関係が主に書かれるが、難しい内容
である。元素転換に関してはっきり書かれている箇所だけ簡単にまとめる。
1965年の『ナテュ・エ・プログレ』誌に生物学的元素転換に関しての報告が掲載されている。
E・カッソニエは、同一の土壌における五酸化燐(P2O5)の二つの分析を報告。その一つには発酵した配合肥料が与えら
れ、もう一方には農場の堆肥が与えられた。つまり、前者には燐が与えられていないが、後者には付与された。各月ごと
の土壌の分析結果を調べたところ、12ヶ月間の合計は前者が313mg、後者が206mgであった。
カッソニエは「結果としてより多くの量の燐を含んでいたのは、この鉱物の外部からのいかなる供給もなかった土壌の方
であった。これは生きている土の驚異である。」と述べた。
ブルターニュにあるドン土壌研究所のダイエは、土壌に硫黄を与えた後に生じた植物における燐の増加を報告している。
ポションは著書『土壌微生物学概論』で数々の観察例を報告。
ミミズの腺による炭酸カルシウムの排泄の研究において、彼は同一の土壌で試験を行ったいろんな研究者の調査結果を
ミミズのいる場合といない場合で比較している。
ミミズのいた土壌の方がいなかった土壌よりも多くのカルシウム、マグネシウム、燐を含んでいたのである。私たちは
この三つの元素の関連を知っているので、ミミズが珪酸と珪酸粘土を必要としているのは、環形動物の存在によって珪酸
ケルヴランは、バクテリアの様々な不思議な性質を報告した後、「嫌気性のバクテリア(珪素細菌)が泥の中の珪素を
炭素と酸素に分解しているということである。」と述べる。-->Si=C + O, ジオ・ループ
2008/4/19 < TさんからのICCF14の情報 >
Tさんから、「ICCF14のHPが更新されましたね。」とメールで教えてもらいました。
ICCF14とは今度アメリカで開かれる第14回常温核融合国際会議のことです。そのICCF14のHPの中の次の頁で更新が
なされたようです。
Tさんは
「いよいよ、ブレークスルーがやって来そうです。どんな会議になりますか?
アメリカ開催は人数が多いので楽しみですね。」
と語っていますが、ほんとうに楽しみです。
Homeページの左のICCF History を見ると、これまでの会議の歴史が書かれています。
まとめると、次のようになります。
1990 ICCF1 アメリカ/ソルト・レーク・シティ
1991 ICCF2 イタリア/コモ湖
1992 ICCF3 日本/名古屋
1993 ICCF4 アメリカ/ハワイ
1995 ICCF5 モナコ/モンテカルロ
1996 ICCF6 日本/北海道・洞爺湖(とうやこ)
1998 ICCF7 カナダ/バンクーバー
2000 ICCF8 イタリア/レリチ
2002 ICCF9 中国/北京
2003 ICCF10 アメリカ/マサチューセッツ州ケンブリッジ
2004 ICCF11 フランス/マルセイユ
2005 ICCF12 日本/横浜
2007 ICCF13 ロシア/ソチ(黒海沿岸)
(予定)2008 ICCF14 アメリカ・ワシントンD.C. 2008年の8/10 - 8/15
前に「アメリカ−イタリア−日本−ロシアが常温核融合研究の4大大国」と書きましたが、上の開催国がまさに
それを示しています。
日本では3回も開催されていて、日本人研究者の貢献の大きさを物語っています。
1992名古屋は、山口栄一博士が真空法という新手法を常温核融合の世界に持ち込み、大激震を起こした会議でした。
それが、きっかけになり三菱重工・岩村博士らの画期的な核変換への証明実験につながっていったと考えられます。
2008/4/29 < ケルヴランの「生物学的元素転換」 No.9 >
「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)の第9章「未来への展望」(p.99〜p.101)をまとめる。
40億年以上の昔、地球は豊富な窒素のガス状の固まりであったと推測される。太陽光線や宇宙線により、
2N(14)=Si(28)
によって珪素へと凝縮されたのだろう。()は質量数。
微小な藻類である珪藻類は珪酸質の皮膜で覆われている。実質的に珪酸分の含まれていない水の中で形成される
のである。なぜなのか?それは
Si - H=Al
他の実験でも、珪素とアルミニウムのつながりが見える。粉末状のアルミニウムをウサギの食物に与えたところ、焼却され
たウサギの遺骸の灰からは、対照としてアルミニウムを加えなかった食物を与えられたウサギよりも多くの珪素が見出さ
れた。
黒鉛は、地上の植物の出現より前の岩石に見出される。したがって、炭素は有機物以外の起源があってしかるべきで
ある。
硫黄は S=P + H という形で燐と関連しているが、私(ケルヴラン)が提示したこのP+Hという構造は、2個の酸素原子に
よるものと同等と言えるかもしれない。すなわち、
2O(16)=S(32)
硫黄の起源は常に一つの神秘とされてきたが、酸素の凝集体と考えてよかろう。
核酸中の蛋白質の二つの鎖の間には燐ないし硫黄の塩基配列があるが、生物学的元素転換と関連していると考えられる。
酸素は、地球が形成されつつある時点までは存在していなかった。しかし、
2N=C+O
という反応によって、窒素から生じたという仮説を提唱したい。地殻が最初に固体に凝縮したときに存在していた窒素は、
強い輻射エネルギーもしくは放射線の効果によって珪素、または炭素と酸素をもたらしたのだろう。
マグネシウムは炭素から生じることも考えられる。 2C=Mg
これは空想の産物ではなく、粒子加速器での炭素原子核同士を衝突させることでマグネシウムは得られるのである。
地球の初期には 2N=C + O, 2N=Si, 2C=Mgなどの反応により、多くの元素が生み出されていった。窒素は自転
によって変動する放射線シャワーにより炭素と酸素、あるいは珪素に変わった。
2008/4/30 < ロブスターの実験、英語版への補足 >
「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)の最後に(p120-p125)、「英語版への補足」として
ロブスターの元素転換実験が取り上げられている。ケルヴラン自身が行ったこの興味深い実験を示して、この本の紹介
を終わることにしたい。
結論を先に言えば、「甲殻類のロブスターは燐と銅を元素転換によって生み出している」ことを示した実験である。
対照用のものを含む二匹の同形のロブスターを用いて、脱皮直後のロブスターと17日後のロブスターを比べると燐が
13%の増加を示していた。ロブスターを入れていた75Lタンク塩水中の燐はなにも増加していなかった。燐は17日間で
380mgから430mgに増加していたのである(別の実験では13日間で30mgの増加を示していた)。燐濃度は、複数の
手法で測定している。ロブスターはオーブンで焼却し塩酸で処理をしてその燐を測定している。
(タンクを循環させるポンプやフィルターの記述もあるが、略す)
タンク水には17日間通して0.150mgしか燐が含まれていなかったのであるから、50mgの増加というのは、その環境に
含まれる300倍以上の燐が生み出されたことになる。
銅においては、ロブスター、タンク水ともに増加があった。
ロブスターにおいては脱皮直後と17日後で3.40mg->5.51mgへと増加し、タンク水では1.95mg->4.95mgへと増加。
全体として95%増加している。銅の分析も、複数の手法でなされた。
銅は、甲殻類や海洋生物にとって重要な元素である。その血液には銅を含んだ蛋白質であるヘモシアニンが含まれて
いる。それは周囲の環境からもたらされると一般に信じられているが、それが真実でないことをこの実験は示している。
鉄と銅の関連から、この実験では水中の鉄の量も測定しておいた。開始時と17日後で18%の減少があった。
以上より、ロブスターにおける燐と銅の増加が、生息する環境からのみ得られたとする説明は不十分であることが
わかる。その解釈は生物学的元素転換しかありえず、それは酵素の作用によっているはずである。
このケルヴランの実験を紹介したページの後に、実験への批判記事と、それに対するケルヴランの反論も示されてい
るが略す。
2008/5/3 < Y.K.さんからのお便り >
Y.K.さんからお便りをいただいたので紹介します。
****************************************
> ところで、杉岡さんのHPでケルブランのところとても興味深いです。
> ここに常温核変換のキーとなる先導役がありそうでは? と感じます。
> 飛行機が最初 鳥に学んだように、生物(自然)に学ぶ点は基本と思います。
****************************************
まさにその通りだと思います。
私も、生物学的元素転換に常温核融合へのヒントがあるはずと感じて掲載しているわけですが、しかし、常温核融合
の研究者で生物学的元素転換へ強い興味を示す人は少ない気がします。
物理学者は、固体物理的な面からしかCold Fusionを見ていないようですが、この複雑怪奇な常温核融合現象を見て
いると、ある一つの角度(視点)だけでなく、異なる角度を加えたほうがよいと思います。理論解明へのヒントが隠され
ているはずです。どちらも低エネルギーで元素転換が生じている点は共通しているのですから!
常温核融合はたかだか20年ほどの歴史をもつにすぎませんが、生物学的元素転換は200年以上の歴史をもち、
夥しい数の研究が行われてきました。そしてケルヴランがまとめた体系(経験則)もあるのですから、それらを
利用しない手はないですよね。
「飛行機が最初 鳥に学んだように、生物(自然)に学ぶ点は基本と思います。」
は、なるほどなあと思いました。
2008/5/3 < 荒田吉明先生が阪大のニューズレターに登場 >
文化勲章受賞者で、いまなお旺盛な常温核融合研究をされている荒田吉明先生(大阪大学名誉教授)が、阪大の
ニューズレターに登場されていることがわかったので、紹介します。
これを読むと、先生がいかに日本の工学に貢献をされてきたかがわかります。最も有名なのは、熱核融合の公開実験
の成功(1958年<--こんなに早く!)でしょうが、そんなものにはとどまらない夥しいハイテク技術の発明・開発をされてきた
ことは、上サイトを読むだけでも感じとれます。
昨年秋のJCF8(第8回日本常温核融合研究会)で荒田先生の講演を私は生で聞いたのですが、その数々の巨大な
仕事に圧倒されっぱなしであった。--><JCF8の報告> 昔、先生が学会で発表するとなると、会場に人があふれた、と
言われていました。それほど若くから注目され大きな仕事をされてきたわけですが、しかしあまりに凄いことをやったので
「先輩ら?のジェラシーの嵐に見舞われ、一時たいへん不遇な時期があった」との意味のことを言われたのはなんとも印象
に残っています。
荒田先生は、常温核融合でもって日本のエネルギーをなんとかしたいと強く思われているように見受けられます。
ますますのご研究の発展を祈りたいと思います。
2008/5/6 <千島学説と山中教授/トムソン教授のiPS細胞 >
皮膚の細胞から万能細胞を作った京都大学の山中伸弥(しんや)教授の業績の紹介が、雑誌「ニュートン」の6月号(2008)
に出ている。千島学説と関連する部分をみつけたので紹介したい。
雑誌には、山中教授のライバルである米国ウィスコンシン大学のトムソン教授の業績も掲載されている。
トムソン教授は、人の胚(はい)を用いてES細胞(万能細胞)をはじめて作ったことでも有名だが、トムソン教授は山中教授
らとは独立にiPS細胞の研究も行っていた。山中教授は色々倫理的な問題もあるES細胞とは違って、皮膚の細胞に"ある
人工的な操作"を加えることで(受精卵などを経由せずに)一挙に万能細胞iPS細胞へと到達したのである。
ES細胞=iPS細胞
と考えられている。
途中経路は違っても到達したものは同じというわけである。
山中教授はマウスでiPS細胞をはじめてつくり、ヒトのiPS細胞「作成成功」は山中教授とトムソン教授が同時に発表した。
受精卵から細胞は徐々に専門的な状態へと分化していく。細胞が成長して皮膚になった細胞は皮膚のまま、肝臓の
細胞はその後は肝臓細胞のまま・・と考えられていた。このように細胞が進化し専門的になっていくことを分化という。
受精卵がすこし成長した状態の胚には、どんな細胞にもなることができる万能細胞がある。もし、なんらかの方法で、専門
的になった細胞を万能細胞の状態へと戻すことができれば、そこから異なった種類の細胞へと作り変える希望が出てくる。
時計の針の逆戻し(逆分化)である。そんなことが可能なのだろうか?
分化した細胞を、初期の万能細胞へと逆分化させることを"初期化"と呼ぶ。色のついていない真っ白な状態へと戻す
ことが初期化だ。それに見事成功したのが、山中教授とトムソン教授なのであった。
手法の詳細は雑誌にゆずる。
ここでは千島学説との関連を急ぐ。
千島学説は、医学の世界で封印された学説である。それは教科書を完全に書き換えることのものであるために、学会
からは黙殺の憂き目をみた。しかし、その正しさは千島喜久男博士の研究により実証されており、学説のファンは多い。
千島学説のファンの一人で、学説を世にひろめるべく努力されているジャーナリスト・稲田芳弘氏が、サイトで次のように
述べていたのが頭にひっかかっていた。
千島学説は、血液と細胞に決定的に関わっている。一方の山中-トムソンも細胞の本質に関わる研究である。とすれば、
二つの間になんらかの関係があるのではないか?と思った。
注意して「ニュートン」を読んだ。あった!
トムソン教授のインタビューを引用する。p.52
*****************************************
「方法」はわかった。だが「しくみ」はわからない。
Newton-トムソン教授は2007年までに、ヒトiPS細胞をつくる4個の初期化因子を割り出すことに成功されましたね。どのよ
うな戦略でしぼりこんだのですか?
トムソン-1970年代の話にさかのぼりますが、当時はまだマウスでもES細胞がつくられていませんでした。そのかわりに、
よく似た「EC細胞(embryonic carcinoma cell:胚性がん細胞)」という細胞が知られてました。そして、EC細胞と血球細胞
を融合させると、現在知られているES細胞のような特性を示すことがわかっていたのです。そこで私たちは、ヒトES細胞で
同じことを試しました。ヒトES細胞からつくった血球細胞を、あらためてES細胞と融合させたところ、血球細胞がES細胞のよう
に初期化されたのです。
Newton-ES細胞の中にある何かが、血球細胞を初期化させたということですね。
トムソン-そういうことです。それを知るために、・・(以下略)
*****************************************
ここは決定的な箇所である。
どうして初期化がおこるのか、まだ原因がわかっていないのであるが、しかしこのことが関係するとしてトムソン教授が
述べたのが上であり、雑誌で最も重要な箇所と思われる。その箇所で、血球細胞に言及しているのである!
これは千島喜久男博士(1899-1978、岐阜大学教授、名古屋商科大学教授)が50年も前に提唱していた赤血球->細胞
への分化、また細胞->赤血球への逆分化との関連をおもわせるものである。
細胞はその細胞のままあるのではなく赤血球へと逆分化するし、また赤血球は自在にあらゆる細胞へと分化していく。
細胞は分化・逆分化を自由に行っているのである(現代医学では、細胞は細胞のまま、赤血球は赤血球のままとする)。
トムソンの回答は非常に興味深い。千島学説との深い関連をにおわせる。
同時に、血液の不思議を思わざるを得ない。
今後は千島学説と山中-トムソンの関係を追求することが重要になってくると思う。
千島学説に関しては、次でも述べているので参考にされたい。
2008/5/14 <荒田吉明・阪大名誉教授が5/22に常温核融合の公開実験を行われます! >
文化勲章受賞者で大阪大学名誉教授の荒田吉明先生が、2008/5/22(木)に固体内核融合(つまり常温核融合)の
公開実験を行われるので案内します。
日時:平成20年5月22日(木) 午後1時30分より
場所:大阪大学 吹田キャンパス 荒田記念館(全体説明)
先端科学イノベーションセンターのインキュベーション棟C棟3Fで公開実験、A棟地下1Fで質疑応答。
内容:1.荒田先生の全体説明30〜60分(荒田記念館)
2.公開実験 装置の説明10分、装置の運転60分
3.質疑応答 30分
参加される場合は、荒田記念館にまず行ってください。
荒田記念館は、接合科学研究所(上のキャンパスマップの27番の建物)の入り口に位置します。
(先端科学イノベーションセンターのインキュベーション棟(37-1番の建物)から歩いて5分以内です。)
歴史的に意義のある実験になると考えられます。ぜひご出席ください。(無料)
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